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日本でも本格化?次世代モバイルサイトPWA(Progressive Web Apps)の5つのメリット

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先日話題になったTwitter Liteのリリース。私も使ってみましたが、とうとうWebでアプリ並のことが本当できるようになったのか、とちょっと感動しました。

しかもネイティブアプリよりデータ通信量が最大70%抑えられるとのこと。
通信量って日本だとたいしたメリットないのかなとも思っていましたが、最近の格安スマホやMVNOの料金プランを見ているとまだまだ通信料削減のニーズはありそうで、そんな文脈からも新興国だけでなく日本でも普及しそうな気がします。

このTwitter LiteのUXを実現する上でキモとなっているのがPWA(Progressive Web Apps)という仕組みです。
Googleによって推進されており、今までネイティブアプリでないと実現できなかったUXやブラウザからのプッシュ通知といったエンゲージメント施策をモバイルWebアプリでも実現できるというのが最大のポイントです。

※プッシュ通知など一部機能はPCブラウザでも利用可能です。また、2017年4月現在はAndroidとデスクトップ版ChromeやFirefoxに対応しており、Safariはまだ対応していません。

PWAの概念ははちょっと前からあって、Googleのイベントでも複数回取り上げられています。このへんの動画を見ておくとより深く理解できると思います。

PWAのメリット

さてこのPWA、具体的には何がメリットなのでしょうか?
簡単に言うと「エンゲージメント向上と使い心地がネイティブアプリ並のモバイルWebアプリ」といえます。
それを構成するポイントを5つまとめてみました。

①Webプッシュ通知

Webに対するアプリの最大の優位性と言ってもよいのがプッシュ通知です。
PWAではService Workerというブラウザの裏側で動く仕組みを活用することで、許諾を得たユーザーに対してプッシュ通知を配信できます。
モバイルWebだけでなくデスクトップのブラウザに対しても配信可能です。
国内でもサードパーティの配信サービスがいくつかあり、本ブログを運営するPushnateでも手軽に無料でWebプッシュ通知を配信できます。

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Twitter LiteからのWebプッシュ通知

②ホームスクリーンへのアイコン追加

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ホームスクリーンにTwitter Liteのアイコンを追加

PWAで構築されたサイトは、訪問頻度によりホームスクリーンへのアイコン追加を促す仕組みがあります。
今までもブックマークとして追加はできましたが、サイト側から促せるのが大きな違いです。
ネイティブアプリと大きく違うのが、Webサイトをある程度使ってから(エンゲージメントが確立されてから)表示されるということ。よりサービスへの理解が高い状態でインストールされるようなイメージです。

③オフラインでのコンテンツ表示と読み込みの高速化

Service Workerはオフラインキャッシュの仕組みも持っており、サイトの主要なデータをキャッシュしておくことでオフラインでの利用や読み込みの高速化を実現できます。

④WebなのにアプリっぽいUX

PWAはブラウザで動作しますが、アドレスバーを非表示にしたり、起動時にスプラッシュ画面を表示することができます。これだけでもグッとアプリっぽい使い心地になります。

⑤Webならではの利点

当然ですがネイティブアプリのようにOSに合わせた開発やアップデート、ストアの審査が不要です。URLがあるのでアクセス解析ツールなどそのまま使えますし、検索エンジンへの対応もWebサイトとして行えるので、開発やメンテナンスの手間を軽減できます。

また、最近話題のAMP(Accelarated Mobile Pages)とも連携できます。検索経由でAMPページにアクセスしたときにServiceWorker登録、Webプッシュ配信といったことも可能です。

PWAを導入するには?

そんなメリットだらけのPWA、さっそく試してみたいという方もいらっしゃると思います。実装にはJSONマニフェストの設定やService Workerに関する記述などが必要ですが、その前にいくつか検討すべきポイントがあります。

既存サイトやアプリを含めた導線設計

すでにモバイルWebサイトやアプリが存在する場合、PWAの位置づけを確認しましょう。

Twitetr Liteのように元のサイトとは別の存在とするケースもあります。何も考えずに作ってしまうと、元サイトとコンテンツが重複したり、アプリも含めてメンテナンスが必要になったりとコストばかりかかってしまう可能性もあります。

PWAによってどんな価値が提供できるかをしっかり確認しておきましょう。

SSL導入が必須

PWAにはSSL導入が必須になります。
SEO的な潮流としてはSSL導入は常識になりつつありますが、必ずSSL対応の否について確認しておきましょう。

実装時にはPWAチェックリストでチェック

実装後はGoogleのPWAチェックリストでPWAの要件を満たしているかを確認しましょう。

まとめ

近年、スマホ1台あたりのアプリインストール数は伸び悩みつつも利用時間は伸びていると言われています。アプリの寡占化が進んでいるということです。

反面、Webサイトは接触頻度においてアプリを上回っています。Webの特性を活かして、様々なチャネル(ソーシャル、参照サイト、検索エンジンなど)からの導線を設計しつつ、アプリ並の利用時間も狙っていく、しかもWebの技術で構築できるというのがPWAのメリットだと思います。

サイトやアプリの内容によっては大きくユーザーを増やせるチャンスかもしれません。Twitter Liteを皮切りに国内でも対応サイトが増えてくるのが楽しみですね。

PWA(Progressive Web Apps)がよりネイティブアプリっぽくなりました

2016年のGoogle I/Oで触れられていたPWAとAndroid連携の動きについてChromium Blogの投稿がありました。

すでにホームスクリーン追加やWebプッシュ通など個別の機能は実現していますが、この統合により今まで以上にWebサイトをアプリ的に取り扱えるようになります。今回はホーム追加時の動作がアプリインストールぽくなりました。個人的に大きいのは、Webプッシュからこの疑似アプリの起動ができるようになることです。よりPWAらしいUXになります。

リテンション獲得のためにネイティブアプリ作りたいけどコストが・・というサイト(主にECサイトかな?)は短期間で効果が出やすそうです。日本では依然としてiOS対応が課題ですが、Androidシェアの高い国ではPWAそろそろ普及しそうですね。ホームスクリーン追加が実装済みのWebサイトは、以下の手順でアプリインストールっぽい使い心地が試せます。

①Chromeの試験運用機能をONにする

Chrome Betaで、chrome://flags/#enable-improved-a2hs を入力し、試験運用機能の管理画面に入ります。
ここで、「ホーム画面に追加(改訂版)」を有効にします。Chromeの再起動を促されるのでそのまま再起動します。

②対応サイトにアクセスしホーム画面に追加する

たとえば、flipkartなどPWAの事例サイトにアクセスしてみます。Chromeのメニューを開くと「ホーム画面に追加」があるのでタップしてみましょう。インストールの許可画面が表示されますのでそのまま進めます。
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ホーム画面に追加

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インストール許可画面

インストールすると他のアプリと同じように一覧に表示されます。

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アプリドロワー内に一覧表示される

Chrome単独の取り組みから始まったPWA周りですが、今後はAndroidと統合の流れが強くなりそうです。なんというかちょっと昇格するイメージですね。正直、特に日本においてはまだまだPWAの取り組みは少ない印象ですが、少なくともGoogleの力の入れようは伝わってきますね。
こちらも合わせてどうぞ。

Chrome OSのAndroid統合のニュースから考えるWebプッシュ配信のこれから

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個人的には大ニュースだと思うのですが、Chrome OSがAndroidに統合されるというニュースがありました。

グーグル、「Chrome OS」を「Android」に統合する計画か

Googleは「Chromebook」ノートPCに主に搭載されるいわゆる「Chrome OS」ソフトウェアをスマートフォンおよびタブレット向けOSの「Android」と統合する予定だという。

 同報道によると、Googleは、この新しい統合ソフトウェアを2017年にリリースする計画で、2016年に初披露する予定だという。

このニュースを知った後だと、先日あったChromeの通知センター廃止のニュースがより現実的に感じられます。プッシュ受け取り状態のコントロールをChromeに持たなくなりますが、代わりにそれを司るのは個々のサービス側でなく、OS(Android)に集約されていくのかもしれません。とはいってもChromeが動く、特にデスクトップでの環境はまだまだ他社OSの比率が高いので、これからしばらく(デスクトップでのAndroid利用がポピュラーになるまで)は中間的な期間となりそうです。

これらトピックを総合すると、Googleは、プッシュ通知はアプリ/Web問わずOSレベルで管理すべきとGoogleは考えているのでは、と考えました。確かにその方がUXとしても一貫するとは思いますし、メールアプリからメッセンジャーアプリへの移行のトレンドに乗れなかったGoogleとしてはこの場の支配力を高めることでなんらかの復権を考えていそうです。Now on Tapやマイクロモーメントなどのコンセプトを実現する場としても重要ですし。

ただ、個人的にはWebプッシュのような標準的な技術で動く仕組みにおいて管理機能をOS側に寄せすぎるのはそれはそれでちょっと違和感も感じます。アプリに比べると若干緩い制限の中でユーザーに支持されるのはどれか?という視点で発展していくのが結果的にいいのではという気がします。