メールなどのリテンション手法と比較したブラウザからのプッシュ通知の特徴として、Webアクセス中の行動内容を元にパーミッションを取れるということが挙げられます。
情報入力したかどうかでなく、Web上の行動状況を起点としてユーザーとの関係が作れるので、例えば
- 特定のサイトからのアクセス(リファラ)時のみプッシュ許諾を出す
- 初回訪問 / 再来訪 の場合のみプッシュ許諾を出す
- 検索エンジンやソーシャルメディア経由アクセスの場合のみプッシュ許諾を出す
などが可能になります。
そしてこれらの中で最も費用対効果が見えやすそうなのが「広告経由のアクセス時のみWebプッシュ許諾をとる」という施策です。
これは、ディスプレイ広告のクリックのみならず、オーガニック検索に比べて来訪ワードが取得しやすいリスティング広告でも有効です。
というわけで今回は広告訴求するいくつかのケースを対象にどんなやり方がありそうかまとめてみました。
ケース①:アプリインストール促進広告
こんなイメージのページに遷移したところでプッシュ許諾を取ります。

スマホサイトやアプリ内広告から遷移し、主にランキング形式で人気アプリを紹介するようなページです。通常、クリックのコストに対して1ダウンロードあたりの獲得コストで収支を管理します。主に広告が入り口ページになるので、Webプッシュ通知により再来訪が1増えればその経済的な価値は把握しやすいケースといえます。
ケース②:ECサイトの商品広告
広告のイメージ(Criteoのバナー例)

ECサイトにおいては、商品データを利用して、大量の商品パターン広告を出稿することがあります。リスティング広告はもちろん、最近はデータフィードによるリターゲティング広告などもあります。広告クリック経由で、特に初回訪問となったアクセスの場合、商品データやセール情報と組み合わせて後からWebプッシュをすることにより、高いリターゲティング効果が期待できると考えられます。
商品購入のECサイトだけでなく、旅行や不動産、中古車情報サイトなども同じような考え方ですね。
ケース③:BtoB向け製品のWebサイト
Salesforceなどに代表されるSaaSと呼ばれるジャンルの製品です。

BtoB向け製品の特徴としては、見込み客の母数が少ない半面、比較的単価が高いということが挙げられます。このようなケースではむやみにWebプッシュの許諾をとろうとせず、サイトに訪問してからの行動も踏まえるのが良いでしょう。
- 一定時間Webサイトに滞在していたらプッシュ許諾
- 直帰せずに次のページを見てくれたらプッシュ許諾
- ページ下までスクロールしてくれたら(= 情報を読んでくれたら)プッシュ許諾
- 無料Ebookをダウンロードしてくれたらプッシュ許諾
など、一定のエンゲージメントができたと判断できる行動をベースに設計することで、より効果の高いユーザーとの接点が持てます。
本日紹介した機能はまだPushnateでは利用できないのですが、今後のWebプッシュ自体の仕様追加により可能性が高くなる見込みです。現在の使われ方など見ながら今後検討していきたいと思います。