Webプッシュ考察

日本でも本格化?次世代モバイルサイトPWA(Progressive Web Apps)の5つのメリット

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先日話題になったTwitter Liteのリリース。私も使ってみましたが、とうとうWebでアプリ並のことが本当できるようになったのか、とちょっと感動しました。

しかもネイティブアプリよりデータ通信量が最大70%抑えられるとのこと。
通信量って日本だとたいしたメリットないのかなとも思っていましたが、最近の格安スマホやMVNOの料金プランを見ているとまだまだ通信料削減のニーズはありそうで、そんな文脈からも新興国だけでなく日本でも普及しそうな気がします。

このTwitter LiteのUXを実現する上でキモとなっているのがPWA(Progressive Web Apps)という仕組みです。
Googleによって推進されており、今までネイティブアプリでないと実現できなかったUXやブラウザからのプッシュ通知といったエンゲージメント施策をモバイルWebアプリでも実現できるというのが最大のポイントです。

※プッシュ通知など一部機能はPCブラウザでも利用可能です。また、2017年4月現在はAndroidとデスクトップ版ChromeやFirefoxに対応しており、Safariはまだ対応していません。

PWAの概念ははちょっと前からあって、Googleのイベントでも複数回取り上げられています。このへんの動画を見ておくとより深く理解できると思います。

PWAのメリット

さてこのPWA、具体的には何がメリットなのでしょうか?
簡単に言うと「エンゲージメント向上と使い心地がネイティブアプリ並のモバイルWebアプリ」といえます。
それを構成するポイントを5つまとめてみました。

①Webプッシュ通知

Webに対するアプリの最大の優位性と言ってもよいのがプッシュ通知です。
PWAではService Workerというブラウザの裏側で動く仕組みを活用することで、許諾を得たユーザーに対してプッシュ通知を配信できます。
モバイルWebだけでなくデスクトップのブラウザに対しても配信可能です。
国内でもサードパーティの配信サービスがいくつかあり、本ブログを運営するPushnateでも手軽に無料でWebプッシュ通知を配信できます。

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Twitter LiteからのWebプッシュ通知

②ホームスクリーンへのアイコン追加

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ホームスクリーンにTwitter Liteのアイコンを追加

PWAで構築されたサイトは、訪問頻度によりホームスクリーンへのアイコン追加を促す仕組みがあります。
今までもブックマークとして追加はできましたが、サイト側から促せるのが大きな違いです。
ネイティブアプリと大きく違うのが、Webサイトをある程度使ってから(エンゲージメントが確立されてから)表示されるということ。よりサービスへの理解が高い状態でインストールされるようなイメージです。

③オフラインでのコンテンツ表示と読み込みの高速化

Service Workerはオフラインキャッシュの仕組みも持っており、サイトの主要なデータをキャッシュしておくことでオフラインでの利用や読み込みの高速化を実現できます。

④WebなのにアプリっぽいUX

PWAはブラウザで動作しますが、アドレスバーを非表示にしたり、起動時にスプラッシュ画面を表示することができます。これだけでもグッとアプリっぽい使い心地になります。

⑤Webならではの利点

当然ですがネイティブアプリのようにOSに合わせた開発やアップデート、ストアの審査が不要です。URLがあるのでアクセス解析ツールなどそのまま使えますし、検索エンジンへの対応もWebサイトとして行えるので、開発やメンテナンスの手間を軽減できます。

また、最近話題のAMP(Accelarated Mobile Pages)とも連携できます。検索経由でAMPページにアクセスしたときにServiceWorker登録、Webプッシュ配信といったことも可能です。

PWAを導入するには?

そんなメリットだらけのPWA、さっそく試してみたいという方もいらっしゃると思います。実装にはJSONマニフェストの設定やService Workerに関する記述などが必要ですが、その前にいくつか検討すべきポイントがあります。

既存サイトやアプリを含めた導線設計

すでにモバイルWebサイトやアプリが存在する場合、PWAの位置づけを確認しましょう。

Twitetr Liteのように元のサイトとは別の存在とするケースもあります。何も考えずに作ってしまうと、元サイトとコンテンツが重複したり、アプリも含めてメンテナンスが必要になったりとコストばかりかかってしまう可能性もあります。

PWAによってどんな価値が提供できるかをしっかり確認しておきましょう。

SSL導入が必須

PWAにはSSL導入が必須になります。
SEO的な潮流としてはSSL導入は常識になりつつありますが、必ずSSL対応の否について確認しておきましょう。

実装時にはPWAチェックリストでチェック

実装後はGoogleのPWAチェックリストでPWAの要件を満たしているかを確認しましょう。

まとめ

近年、スマホ1台あたりのアプリインストール数は伸び悩みつつも利用時間は伸びていると言われています。アプリの寡占化が進んでいるということです。

反面、Webサイトは接触頻度においてアプリを上回っています。Webの特性を活かして、様々なチャネル(ソーシャル、参照サイト、検索エンジンなど)からの導線を設計しつつ、アプリ並の利用時間も狙っていく、しかもWebの技術で構築できるというのがPWAのメリットだと思います。

サイトやアプリの内容によっては大きくユーザーを増やせるチャンスかもしれません。Twitter Liteを皮切りに国内でも対応サイトが増えてくるのが楽しみですね。

コンテンツマーケティングにおけるWebプッシュによるリピート訪問獲得の考え方

オウンドメディアやコンテンツマーケティング系のWebサイトがトラフィックを獲得する上で重要なチャネルがいくつかあります。サイトごとに細かい比率は違いますがおおむね、

  • オーガニック検索
  • ソーシャルメディア
  • 参照サイト(リファラル)

が3大巨頭で、その次にサイトによって

  • 広告(ディスプレイ広告、検索広告、SNS広告など)
  • メール
  • ダイレクト

がくるというのが一般的です。

大半のWebメディアのマネタイズが広告であることをふまえると、流入チャネルとして広告を積極的、定常的に用いることは粗利の高い広告商品がない限り難しいでしょう。必然的に固定費やコンテンツ制作費以外にトラフィック獲得コストをかけないことを志向するケースが多くなります。

今日は、そんなメディアにこそ、ブラウザからのWebプッシュ通知が活用できる!ということについて考えてみたいと思います。

メディアにおけるトラフィックの流れ

以下は一般的なトラフィック成長の流れです。広告は使わないオーガニックな成長を想定しています。

  1. まずコンテンツが増える
  2. 検索結果への表示回数が増える
  3. 検索結果から一定の確率でクリックされサイトへの訪問が生じ始める
  4. 訪問から一定の割合でSNSで共有されたり、他サイトで紹介され始める
  5. 訪問したユーザーの一部が定着しダイレクトの訪問が増える
  6. SEO順位が上がりさらに検索結果への表示回数が増える
  7. サイトを再訪問するユーザーが増える
  8. お問い合わせや広告クリックなどコンバージョンが発生する

どのステップも重要ですが、特に⑤と⑦は初回訪問ユーザーが常連になるかどうかの瞬間です。今後何度も訪問してくれるリピーターになりえるかという点で他ステップと異なります。

そしていかにこのステップで低コストでトラフィックを獲得できるかによってトラフィック成長の効率が変わってきます。

では、上記の⑤と⑦を増やすために有効な施策は何か?

すぐ思いつくのがメールです。ただし、当たり前ですがメールを送るにはメールアドレス登録が必要です。また、メールアドレスを登録してくれるくらいの人はすでにサイトへのエンゲージメントが高まっている可能性がありますので、トラフィック獲得の効率を考えるとメール以外の、もう少し手前の施策もほしいところです。

そしてもうひとつがWebプッシュです。メールやSNS施策との最大の違いは「サイト内での行動や関心をベースにした再来訪体験が作れる」という点です。すべてのユーザーに共通のメッセージを届けるのでなくカスタマイズすることができるのです。

例えば

  • 初回訪問だった人→プッシュ許諾はまだとらない。もちろん送らない。(関係ができていないのにプッシュ通知するのは煩わしく感じる可能性が高い)
  • 2回目以降の訪問だった人→「よろしければ登録ください」と許諾を取り、関連記事を送る。
  • お問い合わせフォームへのリンクをクリックした後離脱した人→フォームの入力忘れでないかをリマインドする。

というように、全てのユーザーに同じメッセージで再来訪してもらうのではなく、サイト内での行動結果をベースにプッシュ許諾を取ったりユーザーごとにプッシュ出し分ける。ユーザーはより「自分のことだな」と感じてくれるようになるでしょう。

最近、Webプッシュ許可を求めてくるサイトが少しずつ増えましたが、何の前触れや説明もなく許諾ダイアログを表示してしまうケースもあるなと感じています。以前から本ブログでも書いておりますが、サイトのUX全体の中でどう作用するかの視点で考えられるかどうかが次の課題ですね。

BtoB向けドリップマーケティングの中で発揮されるブラウザ向けプッシュ通知の特性

4ead7400dbecc5301c429956c91936c1https://zapier.com/ より

1年近く前にこちらの記事を書いたときには、主にマーケティングオートメーションの文脈で、WebプッシュをメールやSNSを含むコミュニケーション手法と比較する形式で書きましたが、1年の間でいろいろ得た知見もあり少し違う軸で考メモ的に書いてみたいと思います。コミュニケーションというよりファンクション面でWebプッシュがマーケティングオートメーション、特にドリップマーケティングにおいてどう作用するかについてです。

「ドリップマーケティング」とは、シナジーマーケティングの用語ページによると

ドリップマーケティングとは、顧客と段階的に、ある程度自動化されたコミュニケーションを行うマーケティング手法のこと。

ステップメールを利用した施策がドリップキャンペーンと呼ばれることがあるように、メールマーケティングと類似した、その延長上にある概念とも言える。メールマーケティングと異なるのは、ドリップマーケティングはアプローチ手段がメールに限らず、電話やSNS、Webを通じたコンテンツなど様々なチャネルを使用してコミュニケーションを取る点である。

とあります。定義上、ユーザーへのアプローチ手段は様々ですが、トラッキング効率など考慮するとBtoB用途においては実質的にWebサイトやメールが中心になります。そしてサイト内でのある行動(特定ページの閲覧やお問い合わせなどのコンバージョン)をトリガーにドリップする場合、事業者側からの能動的なコミュニケーション手段は現在のところメールがメインです。ユーザー(=見込み客)がWebサイト上に滞在していればサイト内のインタラクションも可能ですが、アクセスしている時間は短いのでそれだけじゃ足りないです。

メールとWebサイト、Webプッシュ通知それぞれの特徴をまとめると、

メール:
非同期で時間軸を広くカバー、情報量の多いコミュニケーションができるが、大量に受け取るメールから選んでもらう必要がある。

Webサイト:
アクセスしている間に限るが、流入チャネルやサイト行動に基づいたバナーやレコメンドなど自由な表現ができる。

Webプッシュ:
メールアドレスがなくてもサイト内行動をもとに非同期かつ即時性の高いアプローチができるが表現力に劣る。

要は、WebブラウザのUXの延長でありながら時間軸を広くカバーしつつ、良い場所に通知できるというのがWebプッシュの特性です。プッシュ通知というとコミュニケーション的な文脈でばかりとらえてしまいそうですが、サイト内行動をベースに考えるとすぐ思いつくだけでも以下のケースがあります。

ECサイト:
発送お知らせ、注文やキャンセル確定、品切れや入荷通知、決済などの操作しわすれ(カート離脱、カゴ落ち)

ツール・Saas:
時間のかかる処理の完了、お問い合わせ、デモ利用、操作途中の離脱

コミュニティ・SNS:
友達の近況アップデート、自分へのリアクション

これら以外にも流入チャネルを組み合わせることで幅広い機能が実現できます。

例えばECサイトならセールのお知らせなども可能ですが、メールやSNSでもできることを考えると、Webプッシュに適しているのはこのあたりではないかと考えています。今後は、ただ伝えたい内容を送るだけでないサービスの具体化が進んできそうですね。

コンバージョン直前のユーザーにピンポイントにアプローチできる5つのCVR改善策の比較

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先日、Pushnateではショッピングカートやフォームから離脱してしまったユーザー(カゴ落ち、フォーム落ちユーザー)向けのWebプッシュ配信機能をリリースしました。コンバージョン成立のできるだけ近いポイントで施策を行うことで改善幅を大きく得られる、そんなコンセプトの機能ですが、同様の視点のソリューションがすでにいくつかあります。今回はそんな施策を5つほどピックアップし、長所や短所を比較してみようと思います。

選んだ5つの施策について

基本的にユーザーがサイトに訪問した後にそこで取った行動をベースに実行されるものを選びました。なので新規ユーザーを獲得するための広告やフォームのユーザービリティ改善、ABテストなどは含まれません。

①Web接客

主にECサイト上で、来訪者の流入経路やサイト内行動をもとに様々なアクションを実行できるサービスです。買ってくれそうな人にクーポンを提示したり、条件に合わせてポップアップメッセージを表示するといったことができます。EC版のマーケティングオートメーションのようなイメージといえば近いでしょうか。

長所:来訪者の行動をもとに多様な訴求ができる。大半の機能がサイトへのアクセス中に動作するので事前にユーザーへのオプトインは不要。サイトのトラフィック全てを利用できるのでコミュニケーション量を増やしやすい。

短所:トラフィックで課金されるサービスが多く、費用対効果の調整が難しいのとサイト全体が対象になるため打ち手の幅が広く人的リソースが必要になりがち。また、クーポンを使う場合は値引きの原資が必要になる。

代表サービス:KARTEflipdesk

②カートリカバリーメール(カゴ落ちユーザー向けメール配信)

あらかじめECサイト内で登録されたメールアドレスあてに、カートから離脱してしまったユーザーにメール配信します。

長所:ショッピングカートまで進んだ購買意欲の高い来訪者に絞ってピンポイントでメール配信できる。メールの表現力を活かして、新商品情報やセール情報などの情報も伝えられる。

短所:そもそもメールアドレスを獲得しておかないと配信できないので、会員登録や初回購入前の新規ユーザーには訴求しづらい。

関連サービス:カートリカバリー

③チャット接客

Web接客とも似ていますが、サイト閲覧中のユーザーに対して「お困りごとありませんか?」とコミュニケーションします。あらかじめコミュニケーションのルールを登録しておくことで自動化し、運用の手間を減らすことも可能です。ユーザー側にサービスや商材の理解が必要な場合などに向いています。

長所:Webサイトの右下などにウィジェット的に表示される。チャット形式ではあるが事前のオプトインが不要。テキストなので柔軟にコミュニケーションできる。

短所:メッセージ設定による自動化だけで対応できない領域ではどうしても人が対応しなくてはならない。ユーザー心理や導入サイトの種類によってはいきなり話しかけられると逆に居づらく感じてしまう可能性がある。

関連サービス:Zopim、KARTE TALK

④リターゲティング広告

特定のサイト内行動、特定カテゴリの商品を閲覧した人やフォームまで進んだユーザーなどに絞ってリターゲティング広告を配信する。

長所:フォームまで進んだユーザーにリターゲティング広告を配信。必然的にサイトから離脱して時間があくので、忘れた頃にさりげなくアプローチができる。

短所:対象を絞ると配信母数が大きくなりづらい。広告としてはボリュームがとりづらく、最低出稿額に達しない可能性がある。また、広告を掲載している他のメディアにアクセスしないかぎり広告を訴求する場がないので施策の到達率が低くなる。

関連サービス:カートリカバリー、DMP経由で配信できるリターゲティング広告

⑤Webプッシュ通知

こちらは完全に手前味噌ではありますが、Webプッシュ通知を使った施策です。オプトインしたユーザーに、対象とするサイト内行動を絞ってブラウザへプッシュ通知を配信します。

長所:ショッピングカートまで進んだユーザーに絞ってピンポイントでWebプッシュ通知を配信できる。会員登録などに比較すると必要なアクション数が少なく、配信のパーミッションが取りやすい。スマートフォンではホーム画面の最前面に通知内容を表示できる。

短所:safariブラウザに対応していないのでiOSユーザーへの訴求ができない。また、取りやすいとはいえ、オプトインが取れないと何も配信できない。メールに比べると表現できる量が少ない。

関連サービス:PushnatePushcrew

以上、5つほど比較してみました。
実は私もこの領域にそれほど知見がありません。ただ、今回調べてみた感覚だと、どの施策もまだそこまで浸透していないという印象で、だからこそ何がポピュラーになるか楽しみな領域でもあります。今後も引き続きアウトプットしていきたいと思います。

Webプッシュが有効に作用する5つのKPI

すっかりご無沙汰しておりますがいかがお過ごしでしょうか?我々はといえば、次期機能リリースに向けて準備の真っ最中です。もう少ししたらこちらでもお知らせできるかと思います。

さてWebプッシュ、少しずつ導入しているWebサイトが増えてきた感もありますが、まだまだシンプルで、全来訪ユーザーに等しくプッシュ許諾を取るタイプのものがほとんど。で、本記事ではWebプッシュが有効に働きそうなKPIをいくつかピックアップしてみたいと思います。今後こういったKPI改善を目的とした実装が増えればいいなと思います。

①Webサイトへの再来訪数(リピート訪問数)

最もノーマルなパターンで、来訪者の目につきやすい場所にプッシュ許諾ボタンなどを置いて「興味があればプッシュ購読してね」というものです。多くの来訪者に訴求できる反面、そのサイトのソーシャルアカウントなどの施策とくらべてメリットをアピールしづらいのがネックです。サイト運営者の手間を考えても「Twitterフォローでいいじゃん」となりやすいです。

また、このやり方はプッシュ許諾直後の新鮮な時期の再来訪は得やすいですが、訴求内容がパターン化してしまい、率としては徐々に悪化する傾向があります。そうなるとPUSH通知自体への印象がネガティブになるといった恐れもあるので配信頻度に注意が必要です。

②特定タイミングや特定ページヘの訪問数増加

これは①にも近いですが、期間限定のセールなどのタイミングで集中的にセッション数を得るというものです。Webプッシュ単体でというよりメールなどの施策と組み合わせるのが有効です。Webプッシュの特性として、スマートフォンのホーム画面にアプローチできるというのがあります。メールよりも開封までのタイムラグを短くできるのでこれを活用して即時的な反応を得るのに向いています。この方法を使う場合は、平時は配信を控え、ここぞという時に通知するのが効果的です。

③リアル店舗への再来店数

リアル店舗の場合でも、来店時に何らかのかたちでプッシュ許諾を取り、集客するのは有効です。比較的短い期間内に複数回利用することに価値がある(初期の来店数が常連化に作用する)サービスに特に向いています。

同じ再来訪でもWebサイトに比べると、一度来店している時点でお店に対するエンゲージメントは強い(わざわざ足を運んで行くほどなので)ので、何らかのかたちでプッシュ許諾をとっておくことで来店後、特に短期間のマインドシェアを上げることができます。

④Webサイトやお店での特定のアクション

このあたりからがWebプッシュらしい施策で、マーケティングオートメーションの視点に近くなってきます。

サイト内やお店で特定のアクションを行ったユーザー(=ある程度のエンゲージメントが築けている)にのみプッシュするというものです。対象となるアクションの幅は広く、会員登録や問い合わせ、情報入力、URLのシェア、資料ダウンロードのような浅めのコンバージョンや閲覧ページの種類などをトリガーにします。①の再来訪数に比べると一定の関係性が築けているユーザーになるので、総配信数は少なくなる反面、再来訪あたりの価値が高くなります。

⑤コンバージョン数

④のアクションよりさらに先の、サイトでのコンバージョンを達成したユーザーを対象にするものです。ここまでくるとエンゲージメントの度合いとしてもサイトとお店で大差がなくなってきます。そのサイトやお店が提供する価値を一通り体験したユーザーなので、配信内容の精度を上げていくことで効率的にコンバージョン数を上げることができます。

商品購入やサービス申し込みはもちろん、宿泊やレストラン、習い事のようなコンバージョンとサービスの提供タイミングがずれるものなどにも有効です。

重要なのは「時間軸を意識すること」

というわけで5つほどKPIを紹介してみました。他の手法と比べての特徴としては「時間軸を意識すること」だと思います。即時性を求めたり、前回の来訪やコンバージョンから一定の時間を取ったり季節や曜日を加味することでよりパーソナル性(=そのユーザーならではの通知内容)を高めることができます。まだそこまで有効な使い方をしている事例は少ないですが、ブラウザのペイロード対応も進んできているので今後に期待ですね。

Webプッシュマーケティングにおける6つのトピック(Google I/O 2016から)

先日開催された「Google I/O 2016」の中で「Deep user engagement with web push notifications」というセッションがありました。

他にもプログレッシブWeb関連のセッションがいくつかあり、その中でWebプッシュに触れているものもありましたが、単独で扱っているのはこのセッションだけでした。というわけで、本セッションの内容から特にマーケティング的に重要そうなポイントを6つピックアップして紹介したいと思います。(Web Push プロトコルの話など一部割愛している箇所もありますので詳しく知りたい方は動画もご覧ください。)

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Webプッシュ3大ワードからリテンション施策を比較する(Google Developers Summit Tokyo 2016 から)

4月26日に開催された「Google Developers Summit Tokyo 2016」の2日目。その中で「Hey, look at me, I’m Notification」という、Webプッシュ関連の発表がありました。個人的に注目なのが、

  • Timely (タイミング):今送るべき通知なのか?
  • Precise (正確性) :正確に、何についての通知なのかパッと見て理解できるように。
  • Relevant (関連性/具体性):そのユーザーならではの情報を通知する。

の3つのキーワードです。文脈的には今までGoogleがWebプッシュ通知の配信におけるマナーとして伝えてきた内容がベースになっていますが、あらためてワード化されることで、より重視し浸透させたいという姿勢を感じました。

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ペイロード時代のWebプッシュにより実現される、Webアプリ6パターンのUX

前回のブログでもポストしました、Chrome50から実装されるブラウザからのプッシュ通知におけるペイロード機能。簡単に言いますと、今まで定型メッセージしか送れなかったのが、ユーザー行動や属性に基づいたパーソナライズされたプッシュ通知が送れるというものです。

プッシュ通知自体はすでにネイティブアプリでは何年も使われており、その使われ方もだいぶ工夫がされてきています。そのあたりも参考にしつつ、今日はこのペイロードが使えることを前提としてどんなWebサービスと相性がよさそうなケースを6つほどリストアップしながら考えてみたいと思います。

※実際のサービスに適用しやすいように、なるべくケースは抽象化しました。

①サイト内でのアクション後、段階を経ながら提供されるサービス

対象:ショッピングサイト、サービスEC、宅配系サービス

amazonアプリを使っていると、商品が発送された時や完了したときにプッシュ通知が届く経験をしたことがあるかもしれません。このように、ユーザーがサイト内で購入などのアクションをした後、一定の期間でサービス提供が完了するというタイプです。一般的なECはもちろん、オーダーメイドで時間がかかる商品、または出前や印刷、クリーニングといったサービスECと言われるジャンルにも向いています。このケースでは、Webプッシュはサイトへのリピート訪問よりも通知という機能を果たすことに重点が置かれます。

②サイト内でのメッセージ表示

対象:マーケティング関連ツール、各種サービス管理画面など

大抵のWebサイトではユーザーが入力する際に何らかのメッセージを表示します。これをもっと非同期的に解釈することで、そのサイトを利用中にプッシュするという逆の発想での使い方も考えられます。例えばマーケティング関連ツールでCSVでリストを抽出するときに時間がかかる場合がありますが、数十秒〜数分遅れて完了メッセージをWebプッシュで送るといったケースが考えられます。

③即時的な反応が必要なサービス

対象:オークション、チケット予約、タイムセールや新商品発売

「今すぐサイトから申し込まなくちゃ」というケースです。オークションやチケット販売、人気商品やセール商品などが該当します。Webプッシュはスマホのホーム画面に直接リーチできますので、即時性のある情報とは相性が良いです。また、Webプッシュの機能の一つであるカスタムボタンを使えば、通知ウィンドウからそのまま入札や予約、購入といったアクションにつなげることもできます。

④通知自体がコンテンツとして完結するサービス

対象:占い、天気予報、テレビ番組、俳句のような短文コンテンツ

ネイティブアプリではおなじみの天気予報など、最低限の情報を決まったタイミングでチェックできればいいというケースです。そのほかにもテレビ番組情報だったり、その日一番検索されたワード、占いのようなコンテンツなど、主にメディア系サービスにおけるパーソナライズ機能の一環として使われるケースもあるかもしれません。最近話題のLINEのBotなんかもここに近いです。

⑤ちょっとした予約

対象:レンタル系サービス、美容院などの来店サービス、飲食店

図書館やレンタル系サービスなど、絶対行くかどうかわからないけど、借りれるようになったら教えて欲しい、といったカジュアルな予約用途です。予約といえば最近はスシローアプリなども人気ですが、Webプッシュにおいてはアプリをインストールするほど繰り返し使わなさそうなサービス、そもそもアプリがないサービスが対象になりそうです。

⑥カート落ち、フォーム落ち

対象:ショッピングサイト、見込み客や予約を獲得したいサイト

ペイロード本命ともいえるケースです。

サイト内でショッピングカートやフォーム入力の途中で離脱してしまったユーザーに絞って再来訪を促進するケースです。コンバージョンに最も近いユーザーに訴求するのでROIを検証しやすいというのが最大の特徴です。ペイロードであれば、カートに入っている商品名を出したりセール情報と組み合わせて訴求することも可能です。

以上、6つピックアップしてみましたが、まだ他にもありそうな気がしますので、いずれフレームワーク的にもまとめてみたいと思います。

そしてこれらケースからもわかるとおり、Webプッシュは、例えば受注確認メールのような、エビデンス的な効果はほとんどありません。メールはもちろん、LINEよりもメッセージ表示量が少なく、プッシュ内でコンテンツとして成立させるのも難しい。それよりも、ユーザーが特にスマホを操作したりアプリケーションを起動しなくてもコミュニケーションができる、という特性を活かした実装が向いています。もうすぐChrome50がリリースされますので楽しみですね。

Chrome 50 ベータ版にて待望のペイロード機能が加わります

先日、Googleの日本語ブログでもお知らせがありましたが、Chrome 50 ベータ版が公開されています。

サイトからプッシュ通知を使って、ネイティブ アプリケーションと同じ方法でシステムレベルの通知をトリガーできるようになりました。

ついに待望のペイロードが実装されます。

最新バージョンの Chrome では、サイトで通知データのペイロードをプッシュ メッセージに含むことができるようになるため、サーバーの確認は不要になります。ユーザーのプライバシーを保護するため、プッシュ通知のペイロードは暗号化しなければなりませんプッシュ通知のペイロードPush API 仕様の一環であり、Firefox では既にサポートされています。

今までとは少し通知の仕方が変わることになります。そしてすでにFirefoxではサポートされているとのこと。
今までもこのブログではペイロードについて触れてきましたが、当初の予定である49ではなく、50での実装となりました。

今まではWebプッシュ通知といっても、実質固定のメッセージをユーザー全員に表示するという仕組みでしたが、これによりユーザー行動や属性に合わせたプッシュ通知が可能になります。やっとブラウザでもネイティブアプリと同じレベルで使えるようになるということです。(Facebookのように力技でそれを実現していたケースもあります)

JavaScriptコードを設置するだけでプッシュできるということもあり、これまでは個人ブログや小規模サイトで使ってみるというケースも多かったですが、これからはよりサイトと密接に結びついているような、Webサイトのユーザー体験全体に関わるような使い方も出てくると思います。

Chrome 50が正式版になり、それが行き渡るまでは少し時間かかりますが、今年の年末にはペイロードを使ったプッシュが普通になるのかもしれませんね。

広告効果向上ツールとしてWebプッシュを活用する

メールなどのリテンション手法と比較したブラウザからのプッシュ通知の特徴として、Webアクセス中の行動内容を元にパーミッションを取れるということが挙げられます。

情報入力したかどうかでなく、Web上の行動状況を起点としてユーザーとの関係が作れるので、例えば

  • 特定のサイトからのアクセス(リファラ)時のみプッシュ許諾を出す
  • 初回訪問 / 再来訪 の場合のみプッシュ許諾を出す
  • 検索エンジンやソーシャルメディア経由アクセスの場合のみプッシュ許諾を出す

などが可能になります。

そしてこれらの中で最も費用対効果が見えやすそうなのが「広告経由のアクセス時のみWebプッシュ許諾をとる」という施策です。

これは、ディスプレイ広告のクリックのみならず、オーガニック検索に比べて来訪ワードが取得しやすいリスティング広告でも有効です。

というわけで今回は広告訴求するいくつかのケースを対象にどんなやり方がありそうかまとめてみました。

ケース①:アプリインストール促進広告

こんなイメージのページに遷移したところでプッシュ許諾を取ります。

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スマホサイトやアプリ内広告から遷移し、主にランキング形式で人気アプリを紹介するようなページです。通常、クリックのコストに対して1ダウンロードあたりの獲得コストで収支を管理します。主に広告が入り口ページになるので、Webプッシュ通知により再来訪が1増えればその経済的な価値は把握しやすいケースといえます。

ケース②:ECサイトの商品広告

広告のイメージ(Criteoのバナー例)

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ECサイトにおいては、商品データを利用して、大量の商品パターン広告を出稿することがあります。リスティング広告はもちろん、最近はデータフィードによるリターゲティング広告などもあります。広告クリック経由で、特に初回訪問となったアクセスの場合、商品データやセール情報と組み合わせて後からWebプッシュをすることにより、高いリターゲティング効果が期待できると考えられます。

商品購入のECサイトだけでなく、旅行や不動産、中古車情報サイトなども同じような考え方ですね。

ケース③:BtoB向け製品のWebサイト

Salesforceなどに代表されるSaaSと呼ばれるジャンルの製品です。

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BtoB向け製品の特徴としては、見込み客の母数が少ない半面、比較的単価が高いということが挙げられます。このようなケースではむやみにWebプッシュの許諾をとろうとせず、サイトに訪問してからの行動も踏まえるのが良いでしょう。

  • 一定時間Webサイトに滞在していたらプッシュ許諾
  • 直帰せずに次のページを見てくれたらプッシュ許諾
  • ページ下までスクロールしてくれたら(= 情報を読んでくれたら)プッシュ許諾
  • 無料Ebookをダウンロードしてくれたらプッシュ許諾

など、一定のエンゲージメントができたと判断できる行動をベースに設計することで、より効果の高いユーザーとの接点が持てます。

本日紹介した機能はまだPushnateでは利用できないのですが、今後のWebプッシュ自体の仕様追加により可能性が高くなる見込みです。現在の使われ方など見ながら今後検討していきたいと思います。