Webマーケティング

コンテンツマーケティングにおけるWebプッシュによるリピート訪問獲得の考え方

オウンドメディアやコンテンツマーケティング系のWebサイトがトラフィックを獲得する上で重要なチャネルがいくつかあります。サイトごとに細かい比率は違いますがおおむね、

  • オーガニック検索
  • ソーシャルメディア
  • 参照サイト(リファラル)

が3大巨頭で、その次にサイトによって

  • 広告(ディスプレイ広告、検索広告、SNS広告など)
  • メール
  • ダイレクト

がくるというのが一般的です。

大半のWebメディアのマネタイズが広告であることをふまえると、流入チャネルとして広告を積極的、定常的に用いることは粗利の高い広告商品がない限り難しいでしょう。必然的に固定費やコンテンツ制作費以外にトラフィック獲得コストをかけないことを志向するケースが多くなります。

今日は、そんなメディアにこそ、ブラウザからのWebプッシュ通知が活用できる!ということについて考えてみたいと思います。

メディアにおけるトラフィックの流れ

以下は一般的なトラフィック成長の流れです。広告は使わないオーガニックな成長を想定しています。

  1. まずコンテンツが増える
  2. 検索結果への表示回数が増える
  3. 検索結果から一定の確率でクリックされサイトへの訪問が生じ始める
  4. 訪問から一定の割合でSNSで共有されたり、他サイトで紹介され始める
  5. 訪問したユーザーの一部が定着しダイレクトの訪問が増える
  6. SEO順位が上がりさらに検索結果への表示回数が増える
  7. サイトを再訪問するユーザーが増える
  8. お問い合わせや広告クリックなどコンバージョンが発生する

どのステップも重要ですが、特に⑤と⑦は初回訪問ユーザーが常連になるかどうかの瞬間です。今後何度も訪問してくれるリピーターになりえるかという点で他ステップと異なります。

そしていかにこのステップで低コストでトラフィックを獲得できるかによってトラフィック成長の効率が変わってきます。

では、上記の⑤と⑦を増やすために有効な施策は何か?

すぐ思いつくのがメールです。ただし、当たり前ですがメールを送るにはメールアドレス登録が必要です。また、メールアドレスを登録してくれるくらいの人はすでにサイトへのエンゲージメントが高まっている可能性がありますので、トラフィック獲得の効率を考えるとメール以外の、もう少し手前の施策もほしいところです。

そしてもうひとつがWebプッシュです。メールやSNS施策との最大の違いは「サイト内での行動や関心をベースにした再来訪体験が作れる」という点です。すべてのユーザーに共通のメッセージを届けるのでなくカスタマイズすることができるのです。

例えば

  • 初回訪問だった人→プッシュ許諾はまだとらない。もちろん送らない。(関係ができていないのにプッシュ通知するのは煩わしく感じる可能性が高い)
  • 2回目以降の訪問だった人→「よろしければ登録ください」と許諾を取り、関連記事を送る。
  • お問い合わせフォームへのリンクをクリックした後離脱した人→フォームの入力忘れでないかをリマインドする。

というように、全てのユーザーに同じメッセージで再来訪してもらうのではなく、サイト内での行動結果をベースにプッシュ許諾を取ったりユーザーごとにプッシュ出し分ける。ユーザーはより「自分のことだな」と感じてくれるようになるでしょう。

最近、Webプッシュ許可を求めてくるサイトが少しずつ増えましたが、何の前触れや説明もなく許諾ダイアログを表示してしまうケースもあるなと感じています。以前から本ブログでも書いておりますが、サイトのUX全体の中でどう作用するかの視点で考えられるかどうかが次の課題ですね。

Chrome Dev Summit 2016 が開催、いよいよPWAの活用が本格するかも!?

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先週、Chrome Dev Summitがさりげなく開催されていました。日本だとあまり話題になっていない感じですが毎年やっているやつですね。去年の今頃だとこんな記事を書いたりしました。去年はWebプッシュ通知やService Workerなど一つ一つのトピックが細かい印象でしたが、今年はProgressive Web Apps(PWA)ワードで一括りになって前面に出ていました。個別の技術だとCredential ManagementPaymentなど新しめのAPIの紹介がありました。

日本において、スマホでブラウジングしている限りはPWAはおろか、Webプッシュですら普及はまだまだこれからかな。。という感じですが、Chromeはどんどん先に進んでいますね。

ところで先日、Publickeyさんの記事でGartner Predicts 2017の「2019年までに、ブランド保有企業の20%は自社のモバイル・アプリを放棄する。」という気になる項目を見つけました。

以前ブログでも触れましたが、アプリとWebにおける利用時間や頻度には大きな差があるということをふまえるとなるほどと思いました。たいていのブランド保有企業では、ネット上で高頻度かつ長時間過ごすほどの体験を提供し続けられません。となるとアプリとして存在する価値を保持するのは難しく、結果として主要プラットフォームを通じて(広告出稿のかたちで)消費者と接触するしかないということなのかもしれません。ブランド側からするとプラットフォーム依存が深まってしまうわけですが、そこに対する対抗策の一つが、Webとネイティブアプリのいいとこ取りができるPWA化なのかもしれないですね。

ペイロード時代のWebプッシュにより実現される、Webアプリ6パターンのUX

前回のブログでもポストしました、Chrome50から実装されるブラウザからのプッシュ通知におけるペイロード機能。簡単に言いますと、今まで定型メッセージしか送れなかったのが、ユーザー行動や属性に基づいたパーソナライズされたプッシュ通知が送れるというものです。

プッシュ通知自体はすでにネイティブアプリでは何年も使われており、その使われ方もだいぶ工夫がされてきています。そのあたりも参考にしつつ、今日はこのペイロードが使えることを前提としてどんなWebサービスと相性がよさそうなケースを6つほどリストアップしながら考えてみたいと思います。

※実際のサービスに適用しやすいように、なるべくケースは抽象化しました。

①サイト内でのアクション後、段階を経ながら提供されるサービス

対象:ショッピングサイト、サービスEC、宅配系サービス

amazonアプリを使っていると、商品が発送された時や完了したときにプッシュ通知が届く経験をしたことがあるかもしれません。このように、ユーザーがサイト内で購入などのアクションをした後、一定の期間でサービス提供が完了するというタイプです。一般的なECはもちろん、オーダーメイドで時間がかかる商品、または出前や印刷、クリーニングといったサービスECと言われるジャンルにも向いています。このケースでは、Webプッシュはサイトへのリピート訪問よりも通知という機能を果たすことに重点が置かれます。

②サイト内でのメッセージ表示

対象:マーケティング関連ツール、各種サービス管理画面など

大抵のWebサイトではユーザーが入力する際に何らかのメッセージを表示します。これをもっと非同期的に解釈することで、そのサイトを利用中にプッシュするという逆の発想での使い方も考えられます。例えばマーケティング関連ツールでCSVでリストを抽出するときに時間がかかる場合がありますが、数十秒〜数分遅れて完了メッセージをWebプッシュで送るといったケースが考えられます。

③即時的な反応が必要なサービス

対象:オークション、チケット予約、タイムセールや新商品発売

「今すぐサイトから申し込まなくちゃ」というケースです。オークションやチケット販売、人気商品やセール商品などが該当します。Webプッシュはスマホのホーム画面に直接リーチできますので、即時性のある情報とは相性が良いです。また、Webプッシュの機能の一つであるカスタムボタンを使えば、通知ウィンドウからそのまま入札や予約、購入といったアクションにつなげることもできます。

④通知自体がコンテンツとして完結するサービス

対象:占い、天気予報、テレビ番組、俳句のような短文コンテンツ

ネイティブアプリではおなじみの天気予報など、最低限の情報を決まったタイミングでチェックできればいいというケースです。そのほかにもテレビ番組情報だったり、その日一番検索されたワード、占いのようなコンテンツなど、主にメディア系サービスにおけるパーソナライズ機能の一環として使われるケースもあるかもしれません。最近話題のLINEのBotなんかもここに近いです。

⑤ちょっとした予約

対象:レンタル系サービス、美容院などの来店サービス、飲食店

図書館やレンタル系サービスなど、絶対行くかどうかわからないけど、借りれるようになったら教えて欲しい、といったカジュアルな予約用途です。予約といえば最近はスシローアプリなども人気ですが、Webプッシュにおいてはアプリをインストールするほど繰り返し使わなさそうなサービス、そもそもアプリがないサービスが対象になりそうです。

⑥カート落ち、フォーム落ち

対象:ショッピングサイト、見込み客や予約を獲得したいサイト

ペイロード本命ともいえるケースです。

サイト内でショッピングカートやフォーム入力の途中で離脱してしまったユーザーに絞って再来訪を促進するケースです。コンバージョンに最も近いユーザーに訴求するのでROIを検証しやすいというのが最大の特徴です。ペイロードであれば、カートに入っている商品名を出したりセール情報と組み合わせて訴求することも可能です。

以上、6つピックアップしてみましたが、まだ他にもありそうな気がしますので、いずれフレームワーク的にもまとめてみたいと思います。

そしてこれらケースからもわかるとおり、Webプッシュは、例えば受注確認メールのような、エビデンス的な効果はほとんどありません。メールはもちろん、LINEよりもメッセージ表示量が少なく、プッシュ内でコンテンツとして成立させるのも難しい。それよりも、ユーザーが特にスマホを操作したりアプリケーションを起動しなくてもコミュニケーションができる、という特性を活かした実装が向いています。もうすぐChrome50がリリースされますので楽しみですね。

広告効果向上ツールとしてWebプッシュを活用する

メールなどのリテンション手法と比較したブラウザからのプッシュ通知の特徴として、Webアクセス中の行動内容を元にパーミッションを取れるということが挙げられます。

情報入力したかどうかでなく、Web上の行動状況を起点としてユーザーとの関係が作れるので、例えば

  • 特定のサイトからのアクセス(リファラ)時のみプッシュ許諾を出す
  • 初回訪問 / 再来訪 の場合のみプッシュ許諾を出す
  • 検索エンジンやソーシャルメディア経由アクセスの場合のみプッシュ許諾を出す

などが可能になります。

そしてこれらの中で最も費用対効果が見えやすそうなのが「広告経由のアクセス時のみWebプッシュ許諾をとる」という施策です。

これは、ディスプレイ広告のクリックのみならず、オーガニック検索に比べて来訪ワードが取得しやすいリスティング広告でも有効です。

というわけで今回は広告訴求するいくつかのケースを対象にどんなやり方がありそうかまとめてみました。

ケース①:アプリインストール促進広告

こんなイメージのページに遷移したところでプッシュ許諾を取ります。

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スマホサイトやアプリ内広告から遷移し、主にランキング形式で人気アプリを紹介するようなページです。通常、クリックのコストに対して1ダウンロードあたりの獲得コストで収支を管理します。主に広告が入り口ページになるので、Webプッシュ通知により再来訪が1増えればその経済的な価値は把握しやすいケースといえます。

ケース②:ECサイトの商品広告

広告のイメージ(Criteoのバナー例)

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ECサイトにおいては、商品データを利用して、大量の商品パターン広告を出稿することがあります。リスティング広告はもちろん、最近はデータフィードによるリターゲティング広告などもあります。広告クリック経由で、特に初回訪問となったアクセスの場合、商品データやセール情報と組み合わせて後からWebプッシュをすることにより、高いリターゲティング効果が期待できると考えられます。

商品購入のECサイトだけでなく、旅行や不動産、中古車情報サイトなども同じような考え方ですね。

ケース③:BtoB向け製品のWebサイト

Salesforceなどに代表されるSaaSと呼ばれるジャンルの製品です。

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BtoB向け製品の特徴としては、見込み客の母数が少ない半面、比較的単価が高いということが挙げられます。このようなケースではむやみにWebプッシュの許諾をとろうとせず、サイトに訪問してからの行動も踏まえるのが良いでしょう。

  • 一定時間Webサイトに滞在していたらプッシュ許諾
  • 直帰せずに次のページを見てくれたらプッシュ許諾
  • ページ下までスクロールしてくれたら(= 情報を読んでくれたら)プッシュ許諾
  • 無料Ebookをダウンロードしてくれたらプッシュ許諾

など、一定のエンゲージメントができたと判断できる行動をベースに設計することで、より効果の高いユーザーとの接点が持てます。

本日紹介した機能はまだPushnateでは利用できないのですが、今後のWebプッシュ自体の仕様追加により可能性が高くなる見込みです。現在の使われ方など見ながら今後検討していきたいと思います。

マーケティング・セールス活動におけるWebプッシュ通知の役割

昨年10月に、マーケティングオートメーションにおけるWebプッシュ通知の果たす役割 という記事を書きました。メール、ソーシャルメディア、Webプッシュそれぞれの、ユーザーとのパーミッションの度合いと母数についての考察記事です。当時はこの3種類をコミュニケーション上の特性で分類しましたが、今回はマーケティング手法としてサービス検討の中でどう作用するかについて考えてみたいと思います。

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Webプッシュ通知を導入してみて1ヶ月間でわかった3つのポイント

Pushnate(プッシュネイト)は11月2日からベータ版となり独自ドメインでのWebプッシュに対応しました。これにより、プッシュ通知内に表示されるドメインを自社オリジナルのものにできるようになりました。

ベータ版になってからPushnateのWebサイトでも独自ドメインでのWebプッシュ通知を導入し運用してきました。今日は、約1ヶ月間実際に運用してきてサイトの数値にどう影響があったのかについてまとめてみたいと思います。

最近にわかにService Workerやそれを活用したWebプッシュ、AMP HTMLなどモバイルウェブのユーザー体験向上の話題が増えてきた感があります。「Webプッシュ、試してみたいけど実際どうなんだろう?」という方もまだまだ多いと思いますので参考にしていただければ幸いです。

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Webプッシュ通知、LINE@、メルマガ。3つのリピート獲得手法を比較してみました

Webサイトにおけるリピート訪問・リピーターを増やす方法としてメール(メルマガ)は長らくスタンダードな地位にいました。しかし、スマホ全盛時代になりLINEなどのメッセージアプリの利用が増え徐々にメールの利用率が低下、加えてLINE@やネイティブアプリにおけるプッシュ通知の配信など様々な手法が登場してきました。近年ではTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSも接触ポイントとして存在感を増しています。

先日、このブログにてネイティブアプリのプッシュとWebプッシュを比較してみましたが、今回は少し幅を広げて、Webプッシュとメール、LINE@という新旧のリピート獲得手法を比較してみたいと思います。

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スマホでは検索しない時代にWebプッシュができること

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By TechStage

GIGAZINEにこんな記事がありました。

モバイル端末利用者の2人に1人はGoogle検索を利用しない日がある

GoogleのAmit Singhal氏のRe/Code conferenceでの発言や、スマホやPCに関するいくつかの統計情報を組み合わせて分析したところ、「世界中にあるスマートフォンがGoogle検索を使う回数は1回以下」だということが海外のブログで紹介されているそうです。

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マーケティングオートメーションにおけるWebプッシュ通知の果たす役割

スクリーンショット 2015-10-12 3.12.50http://www.nzinck.com/marketingautomation.html より

「マーケティングオートメーション(MA)」という言葉をご存知でしょうか?

Webマーケティング業界の方なら数年前からちらほら耳にするようになったワードだと思います。本場の米国では上場企業も誕生しているようなホットな領域ですが、日本ではやっと今年になってプレーヤーが出揃った感(というより急にいっぱい出てきた)になってきたと言ってもいいのではないでしょうか。

もともとは、HubspotやMarketoなどの米国企業がその代名詞的な存在でしたが、少しずつ領域は拡大しており、日本でも先日発表のあったSPIKEオートメーションのようなEC系のソリューション、Homeup!のようなコンテンツマーケティングをフックにしたソリューション、など今後枝分かれも進みそうな予感がします。

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